テレビドラマ化された「視線の町」。クリュニー博物館から貴婦人と一角獣のタピスリーを盗む少年の話「ガラスの一角獣」など７篇の幻想小説。

過去がふっとあらわれる「鏡の中の歌姫」。夢の時間が交錯する「ガラスの摩天楼」など、つかの間の幻影が綴られた12篇のファンタジィ。

幻影の作家、綾羽一紀のガラスシリーズ３作目。
幻の映画館を描く「長浜鈴蘭商店街の映画館」、
ガラスの本に刻まれた人類の終末を描く「ガラスの黙示録」など夢の11篇。

過去から未来へ、未来から過去へ熱い想いとノスタルジーが駈けぬける。見失った愛をもとめて現在から過去へ旅立つ。
「レディレインの肖像」「星の船」「黄昏色の映画の中に」の三編。

草履屋の元助がひょんなことから侍に。大塩平八郎の乱を背景に、庶民のささやかな抵抗と生きる喜びを描く人情話。作家・難波利三が舞台のために書き下ろしたもの。脚本「旗と二八蕎麦」収録。

物質文明に溺れ、贅沢に馴れ切った世の中がいつまでも続くはずはなく、そのかげりはすでに不気味に広がりつつある。そんな現代に一石を投じる一作。終戦後の昭和22年、生きること、食べることがすべてだった混乱の時代に、館長を中心にさまざまな人々がおりなすヒューマンドラマ。

泉鏡花賞に輝く眉村卓の神髄。リリシズムとペシミズムが壮大なテーマの底に流れる、著者快心のSF大作。今甦る司政官シリーズの原点。〈特別資料 眉村卓全作品INDEX付き〉

子を思う母のおもいがせつせつと伝わる胸打つ小文

一人の男に、北朝鮮の拉致のごとく奪われ、オーム真理教のごとく洗脳された息子。
その父の戦い、そして母の嘆き

一人の男に、最愛の息子を奪われた母。
母は戦い、苦しみ、憎め―。　そして
憎しみからはなにも生まれない、と―